ジャンセン(JANTZEN)の理念や考えに基づき、そこから派生したライフスタイルに纏わる“ヒト・モノ・コト”にフォーカスしていく連載企画「JANTZEN COLUMN」。
vol.30は、好評の洗濯企画の第2弾として、意外と知らない“白Tシャツ”のホームクリーニングHOW TOをご紹介。
夏だけでなく、ジャケットやニットの相棒としても活躍する白Tは、通年定番のワードローブ。
気軽に着られて、気兼ねなく洗濯できる白Tシャツ。ただ、しばらく着た頃やシーズン終わりに“黄ばみ”が気になってくることも。実は、この黄ばみ、洗濯時のちょっとした一手間で、ぐんと軽減することができるのだそう。お気に入りの1着をきれいに長く着るためにはメンテナンスがマスト!
今回も人気クリーニング店〈LIVRER(リブレ)〉にて、誰でも簡単にできる、自宅での白Tシャツの適切な洗濯方法を教えてもらいました。
>>【洗濯企画第1弾】LIVRERに学ぶ、“冬ニット”の洗濯の仕方はこちらから!
〈LIVRER(リブレ)〉は、某有名劇団の衣装部やファッションスタイリストなど、業界人たちからも根強く支持されるクリーニング店。現在は、東京の三宿と横浜に店舗を構えている。クリーニングの難しいシルクのシャツやワンピース、カシミアやウールのセーターなども独自に開発した洗剤と卓越した技術によって服を極力痛めることなく、きれいに洗濯。また、用途別に展開されるオリジナルの洗濯洗剤やファブリックケアアイテムにも定評があり、それらは〈リブレ〉の店頭やオンラインストアでの販売だけでなく、セレクトショップや百貨店でも取り扱われている。
WEB:https://livrer.co.jp
「Tシャツって着たらそのまま洗濯機にポイっとして洗っている人が多いはず。もちろんそれでも良いのですが、ちょっとした一手間で黄ばみを押さえ、新品時のような白さをキープできるんですよ。きちんと手入れをすることで少しでも長くきれいに着られるし、愛着も湧きます。無地のものに限らず、もう手に入らないプリントがされているものもあるだろうし、“白Tシャツ”と一口に言えど、それぞれの大切なものがありますよね。そんな大切な1着を洗うときに、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです」(リブレ三宿店 綿田さん)
・弱アルカリ性の洗濯洗剤
・部分用の洗濯洗剤(洗濯機に入れる前のプレケアに使用)
・洗濯ブラシ(歯ブラシでも代用可)
・洗濯ネット
・水(適量)
・洗濯機
・ハンガー
左から、ニオイ菌を分解し、落ちにくい泥やファンデーションなど不溶性汚れもしっかりと分解できる「ランドリーディタージェント スポーツ」600mL ¥2860、蛍光増白剤&漂白剤フリーの白物用固形石鹸「Re:White ランドリーバーソープ」110g ¥1980、液体洗剤だけでは落としきれなかった頑固な汚れにアプローチする白い衣類用の粉洗剤「ホワイト ディタージェント パウダー」500g ¥3850/リブレ
※洗う前に…
・水洗いをする前に、服の品質表示はよく確認を。
・ウールのアイテムは、水洗いすると縮みやすいのでごく短時間で行うことを心がける。
・迷った場合はクリーニング店に相談する
それでは、さっそく洗っていきます!
「全体を水洗いする前の前処理(プレケア)は、かなり大事なステップ。 洗濯するTシャツを台の上に広げ、特に汚れが気になる箇所やシミの有無を確認します。着用で汚れやすい襟元・袖口・ワキは、手洗いでの汚れ落としが効果的な部分です」(リブレ 洗濯ブラザーズ・茂木さん、以下同)
まずは「洗濯用ブラシ」と「Re:White ランドリーバーソープ」を使って、プレケアをしていきます!
① Tシャツの部分洗いする箇所と洗濯ブラシ、固形石鹸「Re:White ランドリーバーソープ」を水で濡らす。
② 襟元や袖口、ワキなど、特に汚れが気になる箇所に固形石鹸「Re:White ランドリーバーソープ」を塗る。
③ 洗濯ブラシにも、②同様の石鹸を塗る。
④ ②で洗剤を塗った箇所(襟元、袖口、ワキなど)を③のブラシでトントンと叩く。「このように叩くことで、リブの中や生地に付着している皮脂汚れが取れていきます。食べこぼし等のシミ汚れがある箇所にも同じ処理をしておきましょう」
⑤ 前処理が一通り済んだら、10分程度、そのまま置いておきます。
① 洗濯槽に適量の水を溜める「これはあくまでも“縦型洗濯機”を使う場合なのですが、洗うもの(今回はTシャツ)を洗濯機に入れる前に、洗濯槽に水をはって、“水と洗剤をしっかりまぜておく”のがリブレ的おすすめの洗い方」
② 水量に合わせた洗剤を入れ、手でよく泡立てる。水面にモコモコとした泡が浮かぶくらいまで、しっかりと泡立てておくと◎。
「今回は液体洗剤を使用。リブレがスポーツ用洗剤として打ち出している“ランドリーディタージェント スポーツ”は、ベーシックな洗濯洗剤に生分解性の高い合成界面活性剤をプラスすることで、ニオイ菌の分解性を高め、非常に落ちにくいとされる不溶性汚れ(泥、ファンデーションなど)をもしっかりと分解します。しっかり洗いたい白Tシャツはもちろん、お子さんの体操着やジムで着用したトレーニングウェアの洗濯にもおすすめ。リピートしてくださる方も多いです」
③ 先ほど前処理を施したTシャツを裏返して、軽くたたみ、洗濯ネットに入れる。「Tシャツの洗濯には、“編み目の大きい洗濯ネット”を用いるとなおよし。個人的に気に入って使っているのが《プエブコ》の洗濯ネットです」
④ ネットに入れたTシャツを洗濯槽へ。「しっかりと洗剤水につかるように入れましょう」
洗濯機をスタート。“洗い時間は長め(15分以上が目安)、すすぎは1回(リブレの粉洗剤“ホワイト ディタージェント パウダー”のようにアルカリ性の洗剤を使うなら2回)、脱水6分”を設定の目安に。「しっかりと洗い時間をとることもポイント。脱水に関しては、オシャレ着のTシャツなら1分でもいい」
Q.「昨年買ったTシャツが黄ばんでいました。試してみるべき対処法はありますか?」
A.「まずは1度洗ってみよう! おすすめの洗剤は粉洗剤で、リブレの“ホワイト ディタージェント パウダー”が一押し。漂白剤、蛍光増白剤フリーの白い衣類用の粉洗剤で、液体洗剤だけでは落としきれなかった頑固な汚れにアプローチ。白い洗濯物がより明るさを増すような処方で、しっかりと白く洗い上げてくれます。また、洗濯機で洗う前には、前処理もしておきたい。先ほど使った固形石鹸“Re:White ランドリーバーソープ”でも良いけれど、この場合は広範囲にも使いやすい“プレウォッシュスプレー”がベストな選択かな」
白物の洗濯におすすめの粉洗剤「ホワイト ディタージェント パウダー」500g ¥3850/リブレ
前処理(プレケア)に便利な2点。左から、先ほどの洗濯レクチャーでも使用した馬毛の「洗濯用ブラシ」¥1650、〈リブレ〉がアーティストのライブ衣装のクリーニングでも使用するという前処理スプレー「プレウォッシュスプレー」¥2200/リブレ
A.続き「黄ばんでしまったTシャツ全体に“プレウォッシュスプレー”をかけ、洗濯ブラシで叩く。続いて、洗濯桶に40℃くらいのお湯をはり、その中で粉洗剤をしっかり溶かす。洗剤液ができたら、前処理したTシャツを入れて1時間程度つけ置きを。そのあとは先ほどのTシャツの洗濯方法同様に洗濯機で洗う。つけ置きの洗剤水が残っていれば、それを洗濯槽に入れても構いません。ただし、すすぎは2回! 使う洗剤にもよるのですが、今回使った粉洗剤はアルカリ性の洗剤なので、しっかりすすぐことで中和させて衣類と同じ中性に戻すことが重要。これができていないと、一見きれいに洗えたようでも後ほど黄ばみの原因になってしまうんです」
黄ばんでしまったTシャツがある人は、ぜひ試してみて。
① 洗濯が終わったら、ハンガーにかけて干す準備を。「Tシャツは裏返したままハンガーにかけてくださいね。襟元はリブを伸ばさないように、縫い目を整えつつ、少したるませておきましょう」
② 縫い目を指先でつまんでしっかりと伸ばす。袖口や裾にリブがある場合は、リブもきちんと整える。
「縫い目をきちんと伸ばして整えることで、結果的に服のシルエットが整います。よく、身頃部分の生地をパンパンと手で叩く人がいますが、身頃は乾燥していく間に自然と伸びて整うものなんです」
③ 物干し竿等にかけて、乾燥させる。「部屋干しするなら、より高いところにハンガーをかけるとよいです。除湿機やサーキュレーターを併用することもおすすめ」
『日本一の洗濯屋が教える間違いだらけの洗濯術』(洗濯ブラザーズ著、アスコム刊)
「生乾きの臭い」「黄ばみ」「シワ」「シミ」など、あるあるな洗濯の悩み。実はそれ、間違った洗い方によって起きるものでした。本書では、意外と知らない“洗濯の知識”をレクチャー。ちょっとした工夫でホームクリーニングはもっと心地よくなるはず!
洗濯ブラザーズとは?
毎日の洗濯を楽しくハッピーにするための活動をするプロ集団。クリーニング店〈LIVRER(リブレ)〉を経営するかたわら、国内外の有名アーティストの衣装クリーニングも行っている。
LIVRER MISHUKU
住所:東京都世田谷区池尻2-7-12 ストアハウス三宿 1F
時間:11:00-20:00 ※水木曜定休
TEL:03-5431-0970
WEB:https://livrer.co.jp
Instagram:@livrer_japan、@livrer_flagship(三宿店アカウント)
*横浜の店舗も。詳しくは記載のWEBサイトから。
※記載の価格はすべて税込
photograph_Yume Takakura /
edit_Ryoko Suzuki